トラベルルール対応で国内の仮想通貨取引所間でも送金できなくなる理由とその対処法

2023/05/23

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トラベルルール対応で国内の仮想通貨取引所間でも送金できなくなる理由とその対処法

2023年6月頃に仮想通貨企業のトラベルルール対応開始が予定されており、例えばビットフライヤーからビットバンクへ仮想通貨を送金できなくなるというような不便な事態になります。

この記事を読むと、仮想通貨企業がトラベルルールに対応するとどのような事態になるのか、その対処法、トラベルルールとは何かについて知ることができます。

トラベルルール対応

トラベルルール対応

仮想通貨企業はトラベルルールに対応するため、仮想通貨を送金する際の情報通知システムを採用する必要があります。この情報通知システムが2種類あることが不便な事態を招く原因となっています。

情報通知システムには、ビットフライヤーやコインチェックなどが採用している「TRUST」と、ビットバンクやGMOコインなどが採用している「SYGNA」があります。主に米国の主要企業は「TRUST」を採用しており、アジア太平洋地域の取引所は「SYGNA」を採用しています。

「TRUST」はCoinbaseやCircleなどが開発しており、「SYGNA」は台湾のCoolBitX社が開発しています。ちなみに「TRUST」は、Travel Rule Universal Solution Technologyの頭文字をとって「TRUST」となっています。

異なる2つの通知システム

異なる2つの通知システム

「TRUST」を採用している企業と、「SYGNA」を採用している企業をそれぞれ見ていきましょう。

「TRUST」を採用している主な企業

「TRUST」を採用している主な企業

  • ビットフライヤー
  • コインチェック
  • クリプトガレージ
  • Binance.US
  • Coinbase
  • Fidelity Digital Assets
  • Gemini
  • Kraken
  • Paypal

「SYGNA」を採用している主な企業

「SYGNA」を採用している主な企業

  • ビットバンク
  • BTCBOX
  • DMMビットコイン
  • GMOコイン
  • ビットトレード
  • LINE BITMAX
  • 楽天ウォレット
  • SBI VCトレード
  • AscendEX
  • MEXC

「TRUST」と「SYGNA」には互換性がなく、異なる情報通知システムを採用している取引所間では、たとえ国内の仮想通貨取引所同士でも仮想通貨の送金ができなくなります。

想定されるトラブルと対処法

想定されるトラブルと対処法

想定されるトラブルとしては、違う情報通知システムを採用している取引所へ送金してしまい、仮想通貨を失ってしまうということが考えられます。もちろん、このようなトラブルが起こるであろうことは取引所でも十分に把握していると思われるので、何らかの対策が取られるであろうことは予想されます。

しかし、100%間違いが起こらないような仕組みになるかどうかは分からず、もしかしたら自分の不注意により仮想通貨を失う可能性も考えられます。対処法としては、原始的な方法ではありますが、送金元の取引所と送金先の取引所が、「TRUST」を採用しているのか「SYGNA」を採用しているのかを入念に確認して、同じ通知システムを採用していることを確認してから送金を行うことが挙げられると思います。

また、取引所からMetamaskなどのプライベートウォレットへの送金はこれまで通り可能なので、取引所からプライベートウォレットに送金して、プライベートウォレットから取引所に送金するというように、取引所と取引所の間にプライベートウォレットをはさむという対処法も考えられます。

しかし、間にプライベートウォレットをはさむと余計な手数料がかかったり、セルフゴックスの可能性も高まるというデメリットも考えられるため、それほどおすすめできるものではありません。

トラベルルールとは

トラベルルールとは

トラベルルールとは、「利用者の依頼を受けて暗号資産の出金を行う暗号資産交換業者は、出金依頼人と受取人に関する一定の事項を、出金先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならない」というルールです。

トラベルルールの目的は、テロリストその他の犯罪者が自由に電子的な資金移転システムを利用することを防ぎ、不正利用があった場合にその追跡を可能とすることです。

このルールは、FATF(金融活動作業部会)が、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策についての国際基準であるFATF基準において、各国の規制当局に対して導入を求めているものです。

今後は、ユーザーが仮想通貨を送金する場合は、自分が利用している取引所が「TRUST」か「SYGNA」のどちらの通知システムを採用しているのかを確認して、同じ通知システムを採用している取引所へ送金するということが必要になってきます。

まとめ

仮想通貨企業のトラベルルール対応開始により、現状では仮想通貨ユーザー自身が注意して送金する必要があり、それはあまり好ましい状況とは言えないと思います。

今後の改善に期待したいところです。

この記事の内容は、極力正確なものになるように努めておりますが、仮想通貨企業がトラベルルール対応開始後に仮想通貨の送金をされる際は、この記事の情報だけではなく広くご自身で情報を集められることをおすすめいたします。

みなさんは、トラベルルールについてどのように思われますか?ご意見やご感想をお待ちしております。

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