今回の記事のテーマは、ウィリアム・ヒンマンとイーサリアムやヴィタリック・ブテリンの関係です。
以前の記事で、SEC(米国証券取引委員会)の元企業金融部長だったウィリアム・ヒンマンと、イーサリアムやヴィタリック・ブテリンが裏でつながっているのではないかという疑惑について取り上げました。
以前の記事はこちら。
【リップル・XRP】ヒンマン文書公開を受けてリップル社最高法務責任者が14のツイート【仮想通貨・暗号資産】【イーサリアムに疑惑】
今回は、ウィリアム・ヒンマンとイーサリアムやヴィタリック・ブテリンの関係について、分かってきたことを紹介していきたいと思います。
ウィリアム・ヒンマンの経歴

ウィリアム・ヒンマンは2017年5月から2020年12月まで、3年半に渡りSECで勤務しました。
ウィリアム・ヒンマンはSECでの勤務前後に、法律事務所シンプソン・サッチャー・アンド・バートレットに勤務していました。
そしてこの法律事務所は、イーサリアムのブロックチェーン技術の利用を促進する団体であるエンタープライズ・イーサリアム・アライアンスのメンバーだったのです。
つまり、ウィリアム・ヒンマンは自身が勤務する法律事務所が、イーサリアムの技術を促進する団体のメンバーだったということになります。
このことから、ウィリアム・ヒンマンはイーサリアムとかなり近しい人物であるということが分かります。

図で表すとこのようになります。
また、ヒンマン文書にも、ウィリアム・ヒンマン自身がヴィタリック・ブテリンに電話をかけて、「私たちの理解」を確認するつもりであるという記載がありました。
このことからも、ウィリアム・ヒンマンはイーサリアムと近しい関係にあるだけではなく、イーサリアムの考案者であるヴィタリック・ブテリンとも連絡を取れる立場にいたことが分かります。
ウィリアム・ヒンマンの言動

それでは、イーサリアムやヴィタリック・ブテリンと近い関係にあったウィリアム・ヒンマンがとった言動を見ていきましょう。
ヒンマンスピーチに関して、ウィリアム・ヒンマンとSECの職員との間でどのようなやり取りがなされていたのか、ヒンマン文書に記載されている内容を見ていきます。
ウィリアム・ヒンマンはSECの職員から、スピーチの中でイーサリアムに関する声明は留保するように言われましたが、それを無視してイーサリアムは証券ではないというスピーチを行いました。
また、ウィリアム・ヒンマンはSECの職員から、スピーチを行うことで混乱を招く可能性があると警告されていたものの、それを無視してスピーチを行いました。
さらに、ウィリアム・ヒンマンはSECの職員から、ヒンマン自身が考案した、仮想通貨が証券であるかどうかの基準とハウィーテストを結び付けるように要請されましたが、その提案を無視しました。
ウィリアム・ヒンマンは2018年に行ったスピーチのことを「イーサスピーチ」と呼びました。
このようにウィリアム・ヒンマンは、SECの職員からスピーチに関して警告を受けていたにも関わらず、強引にスピーチを行ったということがヒンマン文書により浮き彫りになってきました。
これら一連のウィリアム・ヒンマンの言動は、彼がSECの企業金融部長という役職を活かして、何かしらの強い動機のもとイーサリアムは証券ではないというスピーチを行ったことを示唆しています。
リップル社のCLO(最高法務責任者)であるスチュアート・アルデロティは、「ヒンマンに何が、誰に影響を与えたのか、なぜ紛争(または少なくとも紛争の兆候)が無視されたのか、そしてなぜSECが「より大きな混乱」を引き起こすことを承知でこの演説を宣伝したのかを解明するための調査が行われなければならない。」と述べています。
ウィリアム・ヒンマンの消された経歴

SECはヒンマン文書を隠そうとしてきましたが、それはリップル社との裁判で不利になるからというだけではなく、むしろそのことよりもウィリアム・ヒンマンとイーサリアムやヴィタリック・ブテリンの関係を探られたくなかったから、と見ることもできます。
そのような中、SECのウェブサイトに掲載されていたウィリアム・ヒンマンの経歴が削除されていることが分かりました。
一方、レニー・ジョーンズなど、かつてウィリアム・ヒンマンと同じ肩書の人物の経歴ページは以前のままであるようです。

こちらが現在のSECのウェブサイトのウィリアム・ヒンマンの経歴ページです。
Previous SEC Positions:
Director, Division of Corporation Finance: May 2017 - Dec. 2020
日本語訳
SEC の以前の役職:
法人金融本部長:2017年5月~2020年12月
とだけ記載されています。

一方、こちらが削除される前のSECのウェブサイトのウィリアム・ヒンマンの経歴ページです。
Internet Archiveで過去のページを表示させたものを紹介しています。
Previous SEC Positions:
Director, Division of Corporation Finance: May 2017 - Dec. 2020
William H. Hinman was named Director of the Division of Corporation Finance in May 2017. The Division seeks to ensure that investors are provided with material information in order to make informed investment decisions, provides interpretive assistance to companies with respect to SEC rules, and makes recommendations to the Commission regarding new and existing rules.
Before serving at the Commission, Mr. Hinman was a partner in the Silicon Valley office of Simpson Thacher & Bartlett LLP, where he practiced in the corporate finance group. He has advised issuers and underwriters in capital raising transactions and corporate acquisitions in a wide range of industries, including technology, e-commerce, and the life-sciences.
Prior to joining Simpson Thacher in 2000, Mr. Hinman was the managing partner of Shearman & Sterling’s San Francisco and Menlo Park offices. He received his B.A. from Michigan State University with honors in 1977 and his J.D. in 1980 from Cornell University Law School, where he was a member of the Editorial Board of the Cornell Law Review. He is a member of the Bar Association of the State of California and the Association of the Bar of the City of New York. Mr. Hinman also is a fellow of the American Bar Foundation.
日本語訳
SEC の以前の役職:
法人金融本部長:2017年5月~2020年12月
ウィリアム・H・ヒンマン氏は、2017年5月に企業財務部門のディレクターに任命された。同部門は、十分な情報に基づいた投資決定を行うために重要な情報が投資家に確実に提供されるよう努め、SEC規則に関して企業に解釈支援を提供し、 新規および既存の規則に関する委員会への勧告。
委員会に勤務する前は、ヒンマン氏はシンプソン・サッチャー・アンド・バートレット法律事務所のシリコンバレー事務所のパートナーであり、企業財務グループで業務を行っていました。 彼は、テクノロジー、電子商取引、ライフサイエンスなどの幅広い業界での資本調達取引や企業買収に関して、発行体や引受会社にアドバイスを行ってきました。
2000 年にシンプソン・サッチャーに入社する前は、ヒンマン氏はシャーマン・アンド・スターリングのサンフランシスコおよびメンローパークオフィスのマネージングパートナーでした。 彼は学士号を取得しました。 1977 年にミシガン州立大学で優秀な成績で学士号を取得し、1980 年にコーネル大学法科大学院で法務博士号を取得し、コーネル大学ロー レビューの編集委員を務めました。 彼はカリフォルニア州弁護士協会およびニューヨーク市弁護士協会の会員です。 ヒンマン氏は米国弁護士財団のフェローでもあります。
このように、ウィリアム・ヒンマンの経歴が詳しく紹介されていました。今回、SECが問題視したのは「十分な情報に基づいた投資決定を行うために重要な情報が投資家に確実に提供されるよう努め」という部分と、「ヒンマン氏はシンプソン・サッチャー・アンド・バートレット法律事務所のシリコンバレー事務所のパートナーであり」という部分ではないでしょうか。
前者に関してはこの文章とはある意味真逆のことをヒンマン・スピーチで行っています。また、後者に関してはエンタープライズ・イーサリアム・アライアンスのメンバーであるシンプソン・サッチャー・アンド・バートレット法律事務所にウィリアム・ヒンマンが勤務していたことを知られたくなかった可能性があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ヒンマン文書が公開された当初は、その内容がリップル社やXRPにとって役立ちそうなものであるかどうかに関心が寄せられていましたが、そこから思わぬ形でウィリアム・ヒンマンとイーサリアムやヴィタリック・ブテリンの関係に疑いの目が向けられる形になりました。
もし、イーサリアムやヴィタリック・ブテリンの側からウィリアム・ヒンマンやSECの一部の人間に対して何らかの働きかけがあり、そのことによりヒンマン・スピーチにイーサリアムは証券ではないという文言が強引に加えられたのだとすると、大問題になることは必至です。
今後、この疑惑が解明されていくのか、うやむやのままに時間が過ぎていくのかは分かりませんが、引き続きニュースを追っていきたいと思います。

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